第80章ボトル事件

ただ運が悪かっただけだ。アンナとルーシーは、ミッドナイト・ムーンシャイン・ラウンジの入口をヘイデンが大股でくぐった瞬間、すぐに彼を見つけた。

彼は両腕に女を一人ずつ絡みつかせ、盛大に登場するつもりなのか、足取りを少しふらつかせながら中へ入ってきた。

ルーシーはそれを見た途端、卓から酒瓶をつかみ、突っ込もうとした。しかしアンナが手首を押さえた。

「待って!」

ルーシーは渋々腰を落とし直したものの、奥歯をぎりりと噛みしめ、怒りで身体を震わせていた。「アンナ、あとで止めないでよ。誓って言う、あのクソ野郎の頭蓋骨、叩き割ってやる!」

迫る危険など知る由もなく、ヘイデンは連れの女たちを引き連れ...

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